ブランディングに極めて重要な役割を果たすとされるブランドパーソナリティ。
消費者がブランドから連想される人となりのようなものを意味する。
今回の記事では、このブランドパーソナリティが消費者の頭の中に自然発生するのをただ待つのではなく、マーケターが何らかのしかけを用意し、戦略的に意味のあるパーソナリティを思い浮かべてもらう。
そんな方法について考察してみたい。
キーワードは人が普遍的にもつといわれる16の基本的欲求だ。
ブランドパーソナリティとは?
ブランディングの用語の一つにブランドパーソナリティというのがある。
ブランド論の大家であるデービッド・A・アーカーの「ブランド論」(ダイヤモンド社、2014年)でもブランドパーソナリティにまるまる一章割いていて、ブランディングに極めて重要な役割を果たすと述べている。
アーカーによればブランドパーソナリティとは「ブランドから連想される人間的な特徴の組み合わせ」とのこと。
ブランドから連想される人となりのようなものだろう。
実は私たちの脳は人に対して抱く感情や思考を人以外の対象にも適用する傾向があるらしい(意味認知論研究、2012年)。
いわゆる「擬人化」のプロセスだ。
ロボット掃除機に名前を付けてあたかもペットのようにかわいがるのがその最たる例だろう。
それゆえ、消費者がブランドに対しても、人となりのようなイメージを抱いても不思議ではない。
ブランドパーソナリティはそんな人以外の対象に人となりを見いだす傾向をテコにする。
自然発生的に起こるのをただ待つのではなく、ブランディングに携わる側が何らかのしかけを用意し、戦略的に意味のあるブランドパーソナリティを消費者に思い浮かべてもらう。
そうすることでブランドの提供価値がより伝わりやすくなったり、消費者との関係がより密になったりするのだ。
特に後者の関係性についてアーカーは、消費者にとってブランドが「昔ながらの母親」のように感じられる(例:キャンベルスープ)、あるいは「アウトドアの冒険の相棒」のように感じられる(例:エディーバウアー)といった例をいくつか挙げている。
ブランドパーソナリティはさらにブランディングに携わる側の指針にもなる。
ブランドパーソナリティという擬人化されたコンセプトをチームで共有することで、より目的や意義が明確になり、商品設計やポジショニング戦略、宣伝や広報、販促プロモーションなど多岐にわたるマーケティング施策に一貫性や整合性を高めることができるのだ。
すでにブランドのビジョンを策定している場合でも、ブランドパーソナリティはそれを補強する。
抽象度の高いビジョンよりも、ブランドを人となりとしてイメージするほうが手触りが感じられ、指針がより具体性を帯びることになる。
エビスビールのブランドパーソナリティ
アーカーはアップルやパタゴニア、ナイキなどそうそうたるブランドパーソナリティの例を挙げているが、日本のブランドでブランドパーソナリティがきちんと定められている例を一つ挙げよう。
本ブログの記事で取り上げたエビスビールだ。
エビスは「Color Your Time! ビールの楽しさ、もっと多彩に。」とのコンセプトを掲げているが、それとは別に「幸せ時間を広げる先駆者」とのブランドパーソナリティを設定している。
「幸せ時間」というとどこかほっこりしたイメージだが、そこに「先駆者」としての人格を織り込むことで、ブランドに未来を切り拓く強い意志や旺盛な創造力を感じさせようというねらいだろう。
エビスを販売するサッポロビールの企業ロゴには星のマークが使われているが、そのモチーフは北極星だという。
一番星である北極星を目指した開拓使たちの精神性を表現しているらしい。
エビスのブランドパーソナリティに「先駆者」と添えたのも、サッポロビールの基幹ブランドとして、開拓使の精神を受け継ぎたいとの思いもあったに違ないない。
ブランドパーソナリティをいかに設定するか?
ではブランディングに携わるマーケターがどうブランドパーソナリティを設定すればいいのだろうか?
その選択肢は無数にあって、絞り込むのはかなりの難題のように思われる。
アーカーは顧客や社員に「ブランドを擬人化するとどうなるか?」を聞いてみるのも一つの方法だと述べている。
そのうえで、ブランドパーソナリティにどんな役割を担わせるのかを勘案しながら吟味していくとよいという。
その役割とは、アーカーの「ブランド論」によれば、たとえばブランドのユニークな属性をパーソナリティを介して伝えるといったことだ。
ほかにも、先に触れた顧客との関係性を定義する役割もある。
また、顧客との密な関係を築く上で邪魔になるブランド連想を弱めるという役割も考えられるという。
ひとまずブランドパーソナリティを決めるとっかかりとなるのが、「ブランド論」にも紹介されている以下のブランドパーソナリティ尺度だろう(Jennifer L Aaker. “Dimensions of brand personality.” Journal of Marketing Research 1997年8月号)。
どういった次元でブランドパーソナリティを検討すればいいのかの目安にはなる。
この尺度は「人格を表す114の特質」を使って60の有名ブランドのパーソナリティを人々に評価させた調査がもとになっている。
調査の結果、ブランドのパーソナリティは5グループ・15の特質に集約できることがわかったという。
その5グループ・15の特質とは以下の通りとなる。
- 堅実
- 家族中心、のどかな田舎風、現場労働者、本当のアメリカ
- 正直
- 倫理的、思いやりのある、面倒見のよい
- 純粋
- 本物、古びない、健康的、古典的、昔ながらの
- 親しみやすい
- 温かい、幸せな、陽気な、感傷的
- 刺激的
- 大胆、流行の最先端、型破り、けばけばしい、挑発的
- 活発
- 冒険好き、生き生きとした、社交的、若い
- 楽しい
- 驚きをもたらす、想像力豊かな、独特、ユーモラス、芸術的
- 革新的
- 積極果敢、最新式、現代的、自主独立
- 信頼できる
- 慎重、頼れる、勤勉、安全、効率的
- 真面目
- 賢い、専門的、能力の高い
- 成功している
- 先導者、自信に満ちた、影響力のある
- 上流階級
- 洗練された、魅惑的な、見た目のよい、自信に満ちた
- チャーミング
- 女性的、なめらか、セクシー、優美な
- 頑丈
- 強い、逞しい
- アウトドア
- 男性的、ウェスタン風、活動的、体育会系
ブランドパーソナリティと16の基本的欲求
ここでもう一つ、ブランドパーソナリティを規定する際に、マーケターにとって大いに参考になると思われるフレームを紹介したい。
本ブログの「16の基本的欲求」に関する記事で概説した欲求フレームだ。
同フレームは、もとは米国の心理学者、スティーブン・リース氏の「本当に欲しいものを知りなさい―究極の自分探しができる16の欲求プロフィール」という本の中で論じられているものである。
以下の16の基本的欲求を一つのフレームとしてブランドパーソナリティの設定の際に活用するのだ。
- 力(power):他人を支配したいという欲求
- 独立(independence):人に頼らず自力でやりたいという欲求
- 好奇心(curiosity):知識を得たいという欲求
- 承認(acceptance):人に認められたいという欲求
- 秩序(order):ものごとをきちんとしたいという欲求
- 貯蔵(saving):ものを集めたいという欲求
- 誇り(honor):人としての誇りを求める欲求
- 理想(idealism):社会正義を追求したいという欲求
- 交流(social contact):人と触れあいたいという欲求
- 家族(family):自分の子供を育てたいという欲求
- 地位(status):名声を得たいという欲求
- 競争(vengeance):競争したい、仕返ししたいという欲求
- ロマンス(romance):セックスや美しいものを求める欲求
- 食(eating):ものを食べたいという欲求
- 運動(physical exercise):体を動かしたいという欲求
- 安心(tranquility):心穏やかでいたいという欲求
前述の記事でも触れたが、この欲求フレームをブランディングに生かすには、ある特定の欲求を強く持つ人たちの一群をブランドのコアターゲットに据えるというやり方がある。
その絞り込んだ欲求から発生しやすいニーズを推察し、そのニーズに応えるべくブランドの提供価値を設計していくのだ。
基本的欲求という軸がいったん定まると、その設計が大きくぶれずに済む。
ターゲットとブランドの提供価値の両輪が自ずと噛み合うようになるのだ。
ここでは、そのプロセスをもう一歩進めて、16の欲求フレームをブランドパーソナリティの選定にも活用する。
もともと欲求と人のパーソナリティは密接な関係にあり、たとえば16の欲求のうち、好奇心が強く知識を得たいという欲求を強くもつ人であれば、およそその人は探究心にあふれ、知識欲や向学心が旺盛なパーソナリティの持ち主となる。
ブランドのパーソナリティもまた、ブランドの軸に据えた基本的欲求からイメージを膨らませて策定していく。
このとき、刺激剤として「16の基本的欲求」の記事に書いた各欲求のキーワードや心理テストの尺度などが参考になるだろう。
1つのパーソナリティに相反するとらえ方
ここではさらに「本当に欲しいものを知りなさい」に書かれていた興味深い記述を紹介したい。
基本的欲求をベースにブランドパーソナリティを策定する際に戦略的な示唆を与えてくれるだろう。
同書籍によれば、ある特定の欲求を強く持つ人は、そうでない人、そんな欲求からは縁遠い人たちとはなかなかわかりあえないという。
互いに我田引水に陥り、誤解し合ってしまうらしい。
自分の強みだと自負していることが実は相手からネガティブにとらえられているといったことが往々にして起こる。
同書籍ではそうした関係を「16組のおかしな2人(The 16 Odd Couples)」と呼んでいる。
その16組のひとつ、「力」への欲求にまつわる「おかしな2人」の例を挙げてみよう。
1人は力への欲求が強い人、もう1人は力への欲求が弱い人である。
まず、力への欲求が強い人、いわゆる野心的な人は自分たちをどう見ているか?
しっかり者で頑張り屋。
常に成功を追求し、目的の達成のために努力を惜しまない。
そして事あるごとに主導的な役割を果たそうとし、強い影響力を持ちたいとの願望が人一倍強い。
問題はここからである。
そういう野心的な人たちは、自分とは真逆の人、力への欲求が弱い人たちをどう見ているか?
総じてマイナスのイメージだ。
怠け癖が強く、意志薄弱でうだつのあがらないといった軽蔑的な目を向けてしまう。
本当なら、自分と真逆の人たちは別の局面で強みがあるはずであり、そこに目を向けて尊重すべきだろう。
しかし、自分が重視する欲求に偏った、手前みそ的な目線で相手を評価してしまうのだ。
偏ったとらえ方はブランドにも及ぶ
この「おかしな2人」のような現象が、ブランドのパーソナリティのとらえ方にも起きてしまう。
仮にとあるブランドが「力」への欲求に軸足を置き、それに見合ったブランドパーソナリティを明確に打ち出していたとしよう。
すると競合他社のブランドは否応なしにそのとばっちりを受けてしまう。
怠け癖が強く、意志薄弱なブランドパーソナリティに思えてしまうのだ。
これは2人きょうだいのうち、一方の長所が際立つと、つい同じ土俵で見てしまい、片方のきょうだいがひどく見劣りしてみえてしまうのと似た現象だろう。
一つ具体的な例を挙げてみたい。
たとえば、明治のプロテインブランド「ザバス」は広告キャラクターに世界的にも著名なアスリートを複数起用している。
大谷翔平選手もその一人だ。
テレビCMやウェブ動画では大谷選手がストイックなトレーニングに励むシーンや、世界一の選手になる夢を語るシーンが映し出される(AdverTimes 2021.5.28)。
偉大な栄光を手にしようと鍛錬を日々重ねる。
ブランド「ザバス」が打ち出したブランドパーソナリティは明快だ。
「力」への欲求に軸足を置く典型的な例といえるだろう。
市場を見渡せば、ザバス以外にもいくつもプロテインブランドはあるが、いずれも気迫負けする印象だ。
ザバスの愛飲者ならなおさらそう見えるだろう。
「ザバス」の土俵に引き込まれ、覇気のない、栄光とは程遠いブランドに見えてしまうのだ。
これは心理学的には「コントラスト効果(対比効果)」と呼ばれるものだろう。
相対的に物事をとらえがちな人の認知特性が引き起こす効果で、「ザバス」以外のブランドの印象が「ザバス」との対比によって随分と変容してしまう。
その差が実際よりもずっと大きく感じられてしまうのだ。
明確なブランドパーソナリティを掲げることで、ライバルブランドを見劣りさせてしまう。
このこともまた、ブランドパーソナリティを打ち出すメリットといえよう。
真逆の人たちがとらえたパーソナリティ
ここからは「力」への欲求にまつわる「おかしな2人」のうち、もう1人の目線に立ってみよう。
「力」への欲求とは縁遠い人たちの目には、力への欲求を強く持つ、極めて野心的な人たちがどう映るのだろう?
力への欲求など意識のほかであり、控えめで総じて柔和な人たちだが、相手に対する評価は決して好ましいものではないようだ。
「力」への欲求が弱い人たちは、そもそも自分たちは野心を持たず、常に相手を立てようとする、従順でものわかりがいいタイプだと自負している。
そんな人たちには、力への欲求を強く持つ人たちが、ひとつのことにのめりみ、いつも追いつめられているように見える。
執着心が強く、生き方にまるで余裕がないのだ。
もしそんな人たちが仮に主導的な立場に就けば、力を握ることに没頭し、支配的で尊大な振る舞いも辞さないだろう。
そんな風に思えてしまうのだ。
こうした正反対の視点はブランドのパーソナリティにもあてはまる。
「力」への欲求に沿ったパーソナリティであれば、そのブランドのユーザーではない人からはマイナスイメージでとらえられている可能性がある。
そしてそれはいずれブランドが直面するであろうリスクを予見することにもなる。
ブランドの導入期や成長期には、達成欲や野心といった、エッジの効いたブランドパーソナリティはこの上ない武器になる。
コアな支持層の獲得にもつながるだろう。
しかし、ブランドのライフサイクルが成熟期に進み、客層を広げることが課題として浮上するころになると、その尖ったエッジの効き具合が逆に足かせとなることもあるのだ。
パーソナリティから漂う主張の強さやこだわりの強さが、これから取り込もうとするユーザーの感情移入を妨げてしまうことになりかねない。
そんなリスクが頭をもたげてくる前に、負の遺産になり得るブランドパーソナリティの要素に何らかの手を打っておくのがいいだろう。
さきほどのプロテインブランド「ザバス」の例にいったん戻ろう。
実は俳優の山崎賢人を起用した新しいCMシリーズが始まっている。
カラダづくりをサポートするという路線は大きく変わらないが、山崎賢人がランニングや腹筋トレーニング後にザバスを迷わず飲むようすが描かれる(PR TIMES 2023.6.23)。
すっかり習慣の一部になっているようだ。
山崎賢人以外にも、ジム通いを始めた女性たちや仲間たちとたまのサッカーを楽しむ男性たちなども映し出され、爽やかで親しみやすく幅広いターゲットを想定している印象だ。
トップアスリートが醸し出すストイックさはトーンダウンしている。
おそらくブランドパーソナリティに何らの調整を加えようとしているのだろう。
16の基本的欲求と相反する視点
以上が「力」への欲求にまつわる「おかしな2人」の解説となる。
両極端で「おかしな2人」とは銘打ってはいるが、2人きょうだいのように、人が他者の人となりを相対的な枠組みでとらえがちな傾向を踏まえれば、この相容れなさはそうまれなことではないだろう。
自社ブランドが一つの欲求に基づくブランドパーソナリティを打ち出すことで、ライバルブランドにどんな影響を与え得るのか?
さらに自社ブランドがライフサイクルの進捗に伴ってどんなリスクを背負うことになるのか?
「16組のおかしな2人」の相反する視点は、ブランドパーソナリティの設定に取り組むマーケターには参考になるだろう。
とりわけ、寡占市場で少数のブランドが拮抗する場合は有効だ。
ブランドの相対比較が消費者にとってより容易になるためである。
ここで「本当に欲しいものを知りなさい」に書かれている「16組のおかしな2人」の自分への評価と(自分とは真逆な)相手への評価を一覧にしたものを記しておこう。
- 力への欲求が強い/野心的な人
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
- 指導者、働き者、しっかりしている、成功を追求する、支配的、強い影響力がある、目的を達成する
- 真逆な人への評価(自分からは相手がこんな風に見える)
- 怠け者、弱い、うだつがあがらない
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
- 力への欲求が弱い/野心のない人
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
- 相手を立てている、従順、人につき従う
- 真逆な人への評価(自分からは相手がこんな風に見える)
- 仕事中毒、追いつめられている、威張り散らしている、権力をふるっている、はた迷惑、支配的、ひとつのことにのめりこみすぎる
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
- 独立したいという欲求が強い/自立心が強い人
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
- 独立独行、自主的、自由人
- 真逆な人への評価(自分からは相手がこんな風に見える)
- 未熟、弱虫
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
- 独立したいという欲求が弱い/相互依存的な人
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
- 愛情深い、愛を必要としている、人を疑わない、献身的、優しい
- 真逆な人への評価(自分からは相手がこんな風に見える)
- 妥協しない、頑固、思い上がっている
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
- 好奇心が強い/知的なものに興味を持つ人
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
- 賢い、おもしろい、気配りができる、学者肌
- 真逆な人への評価(自分からは相手がこんな風に見える)
- 退屈、無教養、浅薄、思慮がない、頭が悪い、情に流されやすい、粗野
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
- 好奇心があまりない/知的なものに興味をもたない人
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
- 実用主義、現実的、世慣れている
- 真逆な人への評価(自分からは相手がこんな風に見える)
- 退屈、インテリ、ガリ勉、横柄、知識をひけらかす、分析好き、冷淡、常識に欠ける、非実用的、思索的
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
- 承認欲求が強い/自分に自信がない人
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
- 自己主張しない、臆病、自信がない
- 真逆な人への評価(自分からは相手がこんな風に見える)
- 思い上がっている、自信過剰、ずる賢い
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
- 承認欲求が弱い/自分に自信がある人
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
- 自己主張ができる、自信がある、自己満足している
- 真逆な人への評価(自分からは相手がこんな風に見える)
- 依存心が強い、意気地なし、弱虫、未熟、神経質すぎる
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
- 秩序を保ちたいという欲求が強い/几帳面な人
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
- きちんとしている、ものごとを秩序立てている、なにごとも統制がとれている、社会生活に順応している
- 真逆な人への評価(自分からは相手がこんな風に見える)
- だらしない、汚い、勝手放題、無秩序、きちんとしていない、非衛生的
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
- 秩序を保ちたいという欲求が弱い/融通がきく人
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
- 柔軟、気まま
- 真逆な人への評価(自分からは相手がこんな風に見える)
- 完璧すぎる、他人に対して支配的、ささいなことを気にかけている、厳格
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
- ものを集めたいという欲求が強い/倹約家
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
- つましい、財布のひもが固い、先々の計画を立てている
- 真逆な人への評価(自分からは相手がこんな風に見える)
- いい加減、軽率、向こう見ず、その日暮らし、ムダが多い
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
- ものを集めたいという欲求が弱い/浪費家
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
- 人生を楽しんでいる、いいものを手にして当然だ
- 真逆な人への評価(自分からは相手がこんな風に見える)
- 守銭奴、けちけちと金を貯めている、どけち、自己否定的
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
- 人としての誇りを求める欲求が強い/高潔な人
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
- 責任感が強い、道徳的、誠実、道義心がある、品性がある、良心的、義理堅い
- 真逆な人への評価(自分からは相手がこんな風に見える)
- 無節操、不誠実、不名誉、利己主義、無頓着、品性に欠ける
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
- 人としての誇りを求める欲求が弱い/ご都合主義の人
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
- 実利的、機会を逃さない、ほかのみんなも五十歩百歩
- 真逆な人への評価(自分からは相手がこんな風に見える)
- 独善的、説教じみている、聖人ぶっている
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
- 理想を追求したいという欲求が強い/理想主義者
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
- 面倒見がいい、思いやりがある、洞察力がある、公正、慈悲深い
- 真逆な人への評価(自分からは相手がこんな風に見える)
- 無慈悲、無神経、冷淡、自分本位、ひねくれている
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
- 理想を追求したいという欲求が弱い/現実主義者
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
- 現実的、実用的、自分のことだけを考えている
- 真逆な人への評価(自分からは相手がこんな風に見える)
- 夢想家、おせっかい、非現実的
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
- 人とふれあいたいという欲求が強い/社交的な人
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
- 愛想がいい、楽しい、遊び心がある、外向的、快活
- 真逆な人への評価(自分からは相手がこんな風に見える)
- 気取り屋、まじめ、みじめ、引きこもり、非社交的、孤独
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
- 人とふれあいたいという欲求が弱い/孤独を愛する人
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
- ひとりでいるのが好き、まじめ、内向的
- 真逆な人への評価(自分からは相手がこんな風に見える)
- 軽はずみ、表面的、騒がしい
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
家族:自分の子供を育てたいという欲求
- 家族を大切にしたいという欲求が強い/家庭的な人
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
- 子育てに熱心、責任感がある、家庭的
- 真逆な人への評価(自分からは相手がこんな風に見える)
- 自分本位、無責任、孤独に老いていく
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
- 家族を大切にしたいという欲求が弱い/家庭を重視しない人
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
- 独立心が旺盛、自由
- 真逆な人への評価(自分からは相手がこんな風に見える)
- 重荷を背負っている、愚かしい、家庭的な、束縛されている
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
- 地位を手に入れたいという欲求が強い/エリート主義者
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
- 重要、傑出している、名声がある、有名、地位が高い
- 真逆な人への評価(自分からは相手がこんな風に見える)
- 重要でない、くだらない、不適格、とるに足らない、低級、品がない
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
- 地位を手に入れたいという欲求が弱い/平等主義者
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
- 庶民的、公平、自由論者、偏見がない
- 真逆な人への評価(自分からは相手がこんな風に見える)
- 紳士・淑女気取り、横柄、冷淡、目立ちたがり屋
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
- 競争したいという欲求が強い/競争心の強い人
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
- 勝者、押しが強い、競争好き
- 真逆な人への評価(自分からは相手がこんな風に見える)
- 敗者、自己主張をしない、消極的
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
- 競争したいという欲求が弱い/協調性のある人
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
- 争いごとを避ける、親切、寛大
- 真逆な人への評価(自分からは相手がこんな風に見える)
- 攻撃的、競争心が強い、怒りっぽい、いつも勝ちたがる
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
- ロマンスを求める欲求が強い/官能主義者
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
- 情熱的、繊細、精力的、刺激的、性的衝動が強い、熱愛者
- 真逆な人への評価(自分からは相手がこんな風に見える)
- 自己否定的、上品ぶっている、神経質、セックスぎらい、不能
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
- ロマンスを求める欲求が弱い/禁欲主義者
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
- 純潔、聖人のよう、自制心がある
- 真逆な人への評価(自分からは相手がこんな風に見える)
- 猛獣、自制心がない、快楽主義者、深みがない
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
- 食欲が旺盛/大食漢
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
- 幸せ者、官能的、快楽主義的、グルメ
- 真逆な人への評価(自分からは相手がこんな風に見える)
- 自己否定的、不健康
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
- 食欲があまりない/食の細い人
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
- ほっそりしている、健康的、意志が強い、分別がある
- 真逆な人への評価(自分からは相手がこんな風に見える)
- 自制心がない、意志が弱い、不健康、快楽を追求している、大食い
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
- 運動したいという欲求が強い/身体を動かすのが好きな人
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
- 精力的、元気がいっぱい、健康的、運動が得意、力が強い、たくましい
- 真逆な人への評価(自分からは相手がこんな風に見える)
- 怠惰、だるい、動きがのろい、座ってばかりいる、体力がない、ひ弱、無精、疲れている、カウチポテト族
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
- 運動したいという欲求が弱い/身体を動かすのがきらいな人
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
- マイペース、のんびり屋、控えめ
- 真逆な人への評価(自分からは相手がこんな風に見える)
- スポーツバカ、肉体派、疲労が激しい、ペースが速い
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
- 運動したいという欲求が強い/身体を動かすのが好きな人
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
- 用心深い、慎重、入念、気配りができる
- 真逆な人への評価(自分からは相手がこんな風に見える)
- 無謀、向こう見ず、愚か、用心深くない、命知らず、無分別、怖いもの知らず
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
- 安心を求める欲求が弱い/勇敢な人
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
- 勇気がある、大胆不敵、度胸がある、自信がある、勇ましい、信念が固い
- 真逆な人への評価(自分からは相手がこんな風に見える)
- 意気地なし、神経過敏、こわがり、苦労性、過保護
- 自分への評価(自分はこんな風に見られたい)
自分にないものを補うブランドパーソナリティ
本記事では人が普遍的にもつ16の基本的欲求をベースにブランドのパーソナリティを策定する提案を試みた。
ここでの前提は、自分が重視する欲求に近しいブランドパーソナリティを帯びたブランドであれば自ずと好感度が高まり、購入されやすくなるということだ。
たいていはそうだろう。
しかし、ブランドパーソナリティの設定にはこの前提が通用しないこともまれにある。
性格の異なる者同士が惹かれ合うことがあるように、自分の主たる欲求とはかけ離れたブランドパーソナリティに惹かれることもあるのだ。
相補性(そうほせい)というが、足りないところを無意識のうちに補い合おうとする、そんな心理が働くのもブランドパーソナリティの真実の一つといえよう。
ブランドパーソナリティの選定には絞り込んだ欲求以外の欲求にも、一応は目配せしていたいほうがよさそうだ。