『次に』を品よく言い換えると? レポートや論文、ビジネス文書に!|プロの語彙力

『次に』を品よく言い換えると? レポートや論文、ビジネス文書に!|プロの語彙力

今回は『次に』を文脈に応じて品よく言い換える方法を整理する。

目次

1.『次に』とはどんな性質の言葉か?

「次に」は、物事の流れや位置関係を前へ進める際に用いられる言葉である。

一方で、文章や会話の進行を支える役割も担うため、その特徴は意識されにくい。

まずは、この語の輪郭を大づかみに整理しておきたい。

意味のコア

「次に」は、ある事柄の後に続く内容や段階へ移ることを示す言葉である。

順序や時間の前後関係だけでなく、議論の展開話題の転換などにも用いられ、流れを前進させる働きを持つ。

実務では、参考情報として受け取るのか、次の検討事項として受け取るのかなど、認識のずれが生じることもある。

こうした性質を踏まえ、次章では「次に」を言い換える際に使える表現を整理する。

2.『次に』を品よく言い換える表現集

ここからは「次に」を、文脈に応じて品よく・知的に言い換える方法を整理する。

2-1. 順を追って進めるとき(段取り)

『次にこれを行う』『次にこの工程へ進む』など、物事の手順やプロセスを論理的かつ整然と並べる際の言い換え。

  • 続いて
    • 前の事象から間を置かずに次の動作へ移行する流れを、最も自然かつ円滑に繋ぐ定番の表現。
      • :基本設計の承認を完了した。続いて詳細設計の構築に着手する方針である。
  • 次いで
    • 順序や序列においてすぐ後ろに位置することを示し、複数の要素を格調高く並べる際に適する。
      • :第一議案の採決を行った。次いで第二議案に関する審議へと移行した。
  • 引き続き
    • 前の状態を途切れさせることなく、そのままの勢いや文脈を維持して次の行動へ移る際の表現。
      • :市場調査の分析を終えた。引き続き競合他社の動向についても精査を行う。
  • 続きまして
    • 会議やプレゼンテーションなどの対人シーンにおいて、次の演目や議題へ上品に案内する表現。
      • :全体の進捗報告を終了します。続きまして各部門からの詳細発表に移ります。
  • 後続して
    • 前の部隊や事象の動きに連動し、遅れることなく次の事象が追いかける状態を客観的に示す。
      • :先行組織が実証実験を開始した。後続して地方拠点での検証も順次開始する。
  • 相前後して
    • 二つの事象がほぼ同時、またはわずかな前後のズレを伴って連続して発生する様子を描写する。
      • :新製品の発表が行われた。相前後して主要都市での広告展開も開始された。
  • 順次
    • 決められた順序に従って、滞ることなく一つひとつ段階的に処理や行動を進めていく表現。
      • :承認が下りた案件から順次対応を進め、業務の停滞を防ぐ体制を整えた。

2-2. 時間的に後を示すとき(時序)

『次に連絡する』『次に訪問する』など、一定の時間を経て後続の行動や出来事へ移る際の言い換え。

  • その後
    • 特定の契機や出来事のあと、時間の経過に伴って状況が推移する様子を端的に伝える基本語。
      • :午前中に意思決定を行った。その後の状況変化については現在確認中である。
  • 後ほど
    • 現在の時点から少し時間が経った未来において、改めて対応を行うことを上品に約束する表現。
      • :ただいま席を外しております。詳細は後ほど担当者より折り返しご連絡します。
  • 以降
    • ある基準となる時点を境にして、それより後ろの時間全体において状態が継続することを示す。
      • :ここまでは基本概要だ。以降は実務における具体的な運用手順の解説に移る。
  • のちに
    • 発生した事象が、少し時間が経過した将来において新たな展開や結果をもたらす際の表現。
      • :初期の段階で違和感を覚えた。のちにそれが重大なシステムバグだと判明した。
  • 追って
    • 現時点では未定、あるいは準備中の情報を、近い将来に必ず追加で共有することを伝える表現。
      • :説明会の開催が決定した。追って具体的な日時と場所を社内通知にて共有する。
  • 改めて
    • 適切な時期を見計らい、日を改めるなどして別の機会に同じ行動を仕切り直す意思を示す表現。
      • :本日の議論はここまでとする。改めて来週に検討の場を設けることで合意した。
  • 後日
    • 当日ではなく、時間的な余裕を挟んだ別の日に落ち着いて対応や処理を行う際に重宝する。
      • :本件の資料は持ち帰り精査する。見解は後日書面にて回答する方針だ。

2-3. 論理を前に進めるとき(展開)

『次に注目したいのは』『次に重要となるのは』など、既存の論理を踏まえて議論をさらに進める際の言い換え。

  • さらに
    • 既に述べた事実や論理の上に、同方向の新たな要素や重ねて強調したい事柄を付け加える表現。
      • :コスト削減の徹底を図る。さらに業務効率化を推進して生産性の向上を目指す。
  • そのうえで
    • 前提となる事実や条件を確実にクリアしたあと、次の段階として必要な行動や論理を提示する。
      • :事前のリスクを徹底的に洗い出す。そのうえで具体的な防衛策を構築する。
  • それを踏まえ
    • 前述の指摘や分析結果、データなどを判断材料として正当に受け止め、次の結論へ導く表現。
      • :顧客満足度調査の結果が出た。それを踏まえ接客研修のカリキュラムを刷新する。
  • これを受けて
    • 周囲の状況変化や特定の決定に連動し、当事者として速やかに次の対応や行動を起こす表現。
      • :法改正の指針が公表された。これを受けて社内規定の見直し作業を開始した。
  • ひいては
    • 目の前の事象にとどまらず、その影響がめぐりめぐってさらに大きな結果や目標へと繋がる表現。
      • :個々のスキル向上に注力する。ひいては組織全体の競争力強化に繋がると確信する。

2-4. 話題を切り替えるとき(転換)

『次に別の観点から見ると』『次にこちらの論点に移ろう』など、視点やテーマを新しく切り替える際の言い換え。

  • さて
    • これまでの文脈に一度区切りをつけ、読者の関心を次の新しいテーマや本題へと促す接続表現。
      • :現状の課題分析は以上である。さてここからは具体的な解決策の提示に移りたい。
  • では
    • 前の会話や状況を受け、それを起点として次の行動への移行や具体的な提案へと話を促す表現。
      • :前提条件の整理は完了した。では実際の運用スケジュールについて確認しよう。
  • ところで
    • 進行中の話題から離れ、全く異なる関連事項や新トピックへと本筋を軽やかに移す際の定番表現。
      • :予算の件は承知した。ところで来期の人員配置について相談したい案件がある。
  • 翻って(ひるがえって)
    • 外部の状況や一般的な事象を述べたあと、視点を対比的に自社や身近な現状へと引き戻す表現。
      • :海外市場は急速に拡大している。翻って国内の現状を見ると頭打ちの傾向が強い。
  • 他方
    • 一つの事象に対して、それとは異なる側面や対立するもう一方の視点を客観的に提示する表現。
      • :正社員の採用枠を拡大する。他方で外部専門人材の活用も並行して進める方針だ。

3.まとめ:『次に』が示す思考の進行方向

「次に」は、順序の進行、時間の後続、論理の展開、話題の転換などを支える言葉である。

場面に応じて表現を置き換えることで、情報同士のつながりや思考の流れを、より明瞭に伝えられるようになるだろう。

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