『ドヤ顔』を品よく言い換えると? ビジネス実践|プロの語彙力

『ドヤ顔』を品よく言い換えると? ビジネス実践|プロの語彙力

つい使ってしまう「ドヤ顔」

しかしビジネス文脈では、より品格ある語に置き換えたい場面が多い。

本稿では、知的で丁寧な表現を厳選して紹介する。

目次

1.ついひとつ覚えで使ってしまう『ドヤ顔』の口ぐせ

気づけば毎回「ドヤ顔」で済ませてしまう——。語彙の引き出しはあるはずなのに、いざ文章になると同じ言葉ばかり使ってしまう。

この“小さな語彙力コンプレックス”は、多くのビジネスパーソンが抱える悩みである。

口ぐせで使われがちな例

  • プレゼン後、彼は少しドヤ顔を浮かべていた。
  • ちょっとした成果でもすぐドヤ顔になる。
  • 数字を示した途端、上司がドヤ顔で振り返った。
  • 会議室にドヤ顔めいた空気が漂った。

2.『ドヤ顔』を品よく言い換える表現集

  • 得意顔(とくいがお)
    • 成果への満足感が穏やかに表情へにじむ、基本的で使いやすい表現である。
      • 例:彼は提案が通り、わずかに得意顔をのぞかせた。
  • したり顔
    • 思いどおりに事が運んだ際の、内心の満足をやや控えめに伝える語である。
      • 例:交渉が優位に進み、担当者はしたり顔でうなずいた。
  • 満足げな面持ち
    • 成果に対する落ち着いた満足を示す、中立で扱いやすい表現である。
      • 例:商談をまとめた直後、彼は満足げな面持ちで席に戻った。
  • 誇らしげな表情
    • 自信と達成感を柔らかく伝える、ビジネス文脈でも自然な語である。
      • 例:部下の成長報告に、上司は誇らしげな表情を浮かべた。
  • 得意満面(とくいまんめん)
    • 顔全体に誇らしさが広がる、視覚的で印象的な語である。
      • 例:表彰式で賞状を受け取る彼は、得意満面の表情を浮かべていた。
  • 会心の面持ち
    • 内面の達成感が控えめに表情へ現れた、ややフォーマルな表現である。
      • 例:プレゼンを終え、彼は会心の面持ちで席に戻った。
  • 勝ち誇った様子
    • 競争的な場面で、優位を得た際の自信を丁寧に表す語である。
      • 例:提示した条件が通り、彼は勝ち誇った様子で書類を差し出した。
  • 手柄顔(てがらがお)
    • 功績を成し遂げた者の満足を表す、落ち着きある古風な語である。
      • 例:難題を解決した若手社員は、どこか手柄顔をしていた。
  • 昂然(こうぜん)とした表情
    • 誇り高さと堂々たる自信を示す、格調の高い表現である。
      • 例:難題を解決した彼は、昂然とした表情で記者会見に臨んだ。
  • 意気揚々とした表情
    • 成果を得た喜びと高揚感を、明るくポジティブに伝える語である。
      • 例:チームの面々は皆、意気揚々とした表情を浮かべていた。
  • 時を得顔(ときをえがお)
    • 状況の追い風を得て自信を示す、やや古雅な表現である。
      • 例:市場が追い風となり、社長は時を得顔で語った。

3.まとめ:成果の誇示を、静かな品位へ

「ドヤ顔」を上品に言い換えると、文章は一段引き締まり、ビジネスの場にもふさわしい表現となる。

語彙の引き出しを増やし、場面に最適な語を選びたい。

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