ことば学– category –
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『希』(キ・ケ)——意味、成り立ち、熟語 |漢字インサイト(9)
かすかに光り、まれに現れ、遠くをのぞむ。 ──いかにも儚(はかな)げで淡く見える『希』という漢字には、「めったにない」や「のぞむ」だけではない、深い予感と静かな祈りが息づいている。 それは、確かでないものにこそ託される思い。 あるいは、見えに... -
『優』(ユウ)——意味、成り立ち、熟語 |漢字インサイト(8)
包む、たたずむ、そして、やわらかく響く。 ──いかにも穏やかで控えめに見える『優』という漢字には、「やさしさ」や「思いやり」だけではない、深い品格と静かな強さが宿っている。 それは、声を荒げずとも伝わる存在感。 あるいは、自らを律しながら他者... -
『愁』(シュウ)——意味、成り立ち、熟語 |漢字インサイト(7)
沈む、思う、そして、しずかに滲(にじ)む── 一見すると控えめで、陰りのある感情をあらわす『愁』という漢字には、「哀しみ」や「不安」だけではない、深い美しさと豊かさが宿っている。 それは、語られないからこそ深く残る感情。 あるいは、過去や未来... -
『逸』(イツ)——意味、成り立ち、熟語 |漢字インサイト(6)
逃れる、はずれる、そして、ぬきんでる── 一見すると矛盾するような意味を内包する『逸』という漢字には、「枠から外れること」に対する恐れと憧れが共存している。 それは、常識を外れた者が持つ危うさであると同時に、誰にも真似できない価値を宿す存在... -
『慈』(ジ)——意味、成り立ち、熟語 |漢字インサイト(5)
育てる。寄り添う。慈しむ心。 こうした表現に使われる『慈』という漢字には、単なる“やさしさ”を超えて、「小さきものを信じて見守り、時間をかけて育てる」という、深い情感と倫理観が込められている。 本稿では、『慈』の基本語義や成り立ち、類義語と... -
『浄』(ジョウ/きよ-い)——意味、成り立ち、熟語 |漢字インサイト(4)
心を浄める。空間を浄化する。浄らかな時間。 こうした表現に使われる『浄』という漢字には、単なる“きれい”を超えて、「汚れをそっと流し、本来の清らかさに立ち戻る」という、深い精神性と文化的意味が込められている。 本稿では、『浄』の基本語義や漢... -
『緩』(カン)——意味、成り立ち、熟語 |漢字インサイト(3)
緩む気配。緊張が緩む。緩やかな時間。 こうした表現に使われる『緩』という漢字には、単なる“ゆるみ”を超えて、「張りつめた状態からの解放」や「過度を避けるやさしさ」といった、深い心理的・文化的意味が込められている。 本稿では、『緩』の基本語義... -
『萌』(ホウ)——意味、成り立ち、熟語 |漢字インサイト(2)
萌え出る芽。感情が萌(きざ)す。萌えの感性。 このような表現に使われる『萌』という漢字には、単なる成長の始まりだけでなく、「感情が生まれる瞬間」や「まだ形を持たないときめき」といった、内面的な予兆を示す深い意味が込められている。 本稿では... -
『醒』(セイ)——意味、成り立ち、熟語 |漢字インサイト(1)
酔いが醒める。夢から醒める。醒めたまなざし。 このような表現に使われる『醒』という漢字には、単なる状態の変化だけでなく、「混迷から抜け出すこと」や「真実に気づくこと」といった、内面的な転換を示す深い意味が込められている。 本稿では、『醒』... -
「世の中」の意味とニュアンス、言い換え語とは?
【「世の中」の意味とは?】 世の中はもちつもたれずだ。 世の中は一寸先は闇。 世の中は捨てたもんじゃない。 私たちが何気なく使う「世の中」という言葉。 辞書には「人々が互いにかかわり合って生きて暮らしていく場」とある。 同類語は「社会」「世間...
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